転機(後編)

aeru gojo 田房 夏波

THE INTERVIEW + RITZ

INTERVIEW

#2

気持ちを大切に、自然体で。

-夏波さん、今ここですごく楽しそうで、こちらも嬉しくなってしまうのですが、東京にいた頃は「ここじゃない」って思った瞬間はあったのでしょうか?

夏波さん「以前は総合化学メーカーに勤めていて、もちろん興味があって入社したのですが、勉強になるな、と思うことはあっても、この事業を何としても広げたい、という想いがないと感じるようになりました。」

-なるほど。仕事に面白さは感じつつも、夏波さんの取り組みたい内容とは少し違っていたのですね。でも、それまでのキャリアで得られたものもあった?

夏波さん「はい。尊敬する上司や先輩方にたくさん出会い、学ばせていただきました。今の私の価値観や仕事観の基礎は、前職で出会った方々から学んだことでできています。」

-転機に至るまで、助走期間のようなものはありました?

夏波さん「うーん、助走と思ったことはないですね。カンボジアの手織りシルクブランド『メコンブルー』の国内展開に取組んでいる団体をお手伝いしていました。ただ、助走という感覚はなく、その時その時でやりたいことをやってきただけという気がします。他にも、友人と演劇をしたり、自分の結婚式の準備があったり・・・どんな時も助走じゃなくて本番だと思っていました。」

aeru8(熱帯の鮮やかな色使いが特長の「メコンブルー」。写真:鈴木竜一郎)

aeru7(カンボジアの工房を訪ねる夏波さん。写真:鈴木竜一郎)

-いいですね。やりたいことをとことんやる、って意外とできない気がします。

夏波さん「助走のつもりで何かに関わるのは、一緒に取り組む人たちに対して失礼だなと。私も常にとことんやれていたわけではなく、心苦しく感じて落ち込むこともありました。結局、関西で仕事を探していた時に『あなたには、和えるが合うかも』と紹介してくださったのは、NPOでの活動を見守ってくださっていた方で、振り返ってみれば今の仕事につながっている、という感覚ですね。」

-夏波さん、すごく自然体ですね。今の仕事との出会いも自然というか、ご縁ですね。

夏波さん「はい。本当にご縁だなあと思います。」

-ご縁で移住&転職という転機を迎えられたわけですが、決めるにあたって一番大切にしたことって何でしょう。

夏波さん「家族です。夫婦で『両親のいる関西に帰りたい』と、これからの暮らし方について話し合った結果、転職を考えるようになりました。当時、経営企画という部署に所属していて、3年に一度の中期経営計画の策定の時期でした。ベテランの上司が異動されたばかりで、私自身もっとチームに貢献できるようになりたいと考えていた時期でもありましたし、お世話になってきたNPOにも同じようには関われなくなるので、とても悩みました。最後の決め手は、いま転職せずタイミングを逃して、40代、50代になっても東京で暮らしていたらきっと後悔する、と思ったからです。」

-会社に貢献したいという思いと、自分と家族のライフプラン。悩むのも当然だと思います。納得のいく決断ができてよかったですね。

挑戦は続く。

-最後の質問。夏波さんは、これから挑戦してみたいことはありますか?

夏波さん「まずは、もっとたくさんの方に「aeru gojo」へお越しいただけるようにがんばりたいです。また、『和える』の新規事業として、ホテルの一室を日本や地域の伝統産業、歴史、文化などを感じられる部屋に設える“aeru room”にも携わっています。去年、長崎に第1号aeru roomができました。まだ始まったばかりですが、47都道府県すべてに作れたらいいなあと思っていて、今は姫路での第2号aeru roomに取り組んでいます。」

-わぁ、オシャレ!これは泊まりたいかも!!日本中にあったら、それ巡るのも楽しそう。

aeru6(セトレグラバーズハウス長崎の”aeru room”。写真:株式会社和える)

夏波さん「まだまだあります。今、『和える』で保育園をつくる計画があり、保育士資格取得に向けて勉強中です。また、5年以上ぶりに茶道も習いたいなあと思っています。やりたいことがたくさんあって・・・いつもワクワクしています。」

-保育士資格まで!すごいなぁ。聞いてるこっちまでワクワクしてきました。夏波さんの夢が叶いますように、私も応援しています。京都にもまた遊びに来ますね。

aeru5(写真:株式会社和える)

自分の気持ちに正直に、やりたいことにまっすぐに。そんな夏波さんのところにごくごく自然にやってきたご縁。大切にしたいものを軸に、直感を信じて迎えた転機の先に広がる大きな大きな夢。京都で再会した彼女は、とてもとても輝いていました。

素敵なお話を、ありがとうございました。

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